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デブ=ダメ人間という社会人の目
専門学校を卒業後、僕はある救急病院に就職した。
いよいよ放射線技師として社会人生活がスタート。
早く仕事を覚え、一人でも仕事ができるようになるため、毎日必死に仕事をした。
救急病院は、数ある病院の中でも特に激務だ。
毎日たくさんの救急患者が病院に運び込まれ、多い時は病院全体が「野戦病院」と化すこともある。
もちろん人の命に係わる仕事なので、毎日が緊張の連続だ。
気を抜いた瞬間、患者の心肺が停止するなんてこともしょっちゅうだ。
とにかく神経をすり減らす毎日が続くのだ。
そんな環境の中で、僕は自分の仕事をこなす事で精いっぱいだった。
だけど、一向に仕事で思うような結果が出せない。
そんな僕の姿を見て、周囲の人間は冷めた目で僕を見ていた。
性格の悪い看護師からはすぐに文句を言われたり、何かあれば僕の上司ではなく、僕自身にいちゃもんを付けてくる。
しかも「新人は誰にも逆らえない立場」という弱みに付け込んだ最悪のやり方。
とにかく体が太っていると、すぐに目の敵にされ、ストレス解消のはけ口にされる状態が当たり前の世の中。
これじゃあ、まるで子供のころにあったイジメと同じ展開じゃん。
とにかくデブは、こういった不利な立場に立たされやすい。
どの職場でも、陰でこういうことが日々起こっている。
(今ではデブとか関係なくこういうイジメの環境が異常に増えている)
社会人になると、世間の目は、
【デブ=自己管理ができないヤツ】
という風にみなすことが普通だからだ。
僕は先輩に何回も悩みなどを打ち明け相談したが、
「看護師は強いからなぁ、しゃーないわ」
と、真剣に相談に乗ってくれない感じだった。
ハッキリ言ってイライラが爆発しそうだった。
ちゃんと仕事ができても、褒められることはまず無かった。
なぜなら、僕の外見が「デブ」だからどいつもこいつも僕を見下すような態度をとってくるのだ。
本当は一発ブン殴ってやりたい。
でも問題を起こすと人生が終わる。
一発殴れば警察沙汰。そして解雇だ。
もう僕は社会人、学生の時とは立場が全然違うのだ。
そんなやり場のない怒りをどこへぶつけていいか分からなかったもんで、僕は結局、食べることでストレスを解消していた。
それなら運動してストレス発散しろよ...^^;
そう思うかもしれないが、当時の僕はまだ学生気分が抜けてなかったため、そこまで考える冷静な気持ちなど全くなかった。
ただただ最悪...。
そんな感じで僕は毎日仕事をこなしていく日々を送った。
ついにダイエットの神様降臨!?あるDVDとの出会い
そんな中、職場の友達と世間話をしていると、ある話で盛り上がった。
実は当時、世間であるエクササイズDVDが爆発的なヒットを起こしていた。
しかも友達は、このDVDを買って実際にエクササイズをしていた。
そのDVDとは...
当時はこのDVDが爆発的なブームを迎えていた。
友達は相当ミーハーな性格だったため、当然そのブームの流れにちゃっかり乗りDVDを買っていた。
「本当にこんなのでやせれるのかよ^^;」
「絶対に変なモノ買わされたな(笑)」
僕は正直こんな気持ちだった。
しかし友達の意見は意外なものだった。
実際に体験談を聞いていると、噂以上にかなりハードでヤバイ。
舐めてかかるとマジで痛い目に遭うこと間違いなし。
でも実際やってみると意外と楽しいと友達は言った。
その話のあと、僕も少しそのDVDが気になり始めていた。
そしてある夜、たまたまやっていた通販番組の中で、あるものが僕の目に飛び込んできた。
そう、あのビリーズブートキャンプの紹介だ!
そして僕は、その内容をじっくり見ることにした。
途中で出てくる体験者の実績や感想はいかにもヤラセ的な感じだったが、DVDの内容の一部を観たとき、僕は正直にこう思った。
「これ、なんか面白そうやな!」
「なんかやってみたくなった」
半分は通販番組の影響を受けていたかもしれないが(笑)
でも、今までダイエット関係に全く興味を示さなかった僕が、「ダイエットをしてみようかな」という気持ちになった。
正直、自分でも驚いた。
自分がエクササイズDVDに興味を持つなんて。
これはある意味、自分の人生で最大の事件レベル。
もう一度友達に、あのDVDのこと詳しく聞いてみるか。
気が付けば、僕はもうDVDをやる方向で動き始めていた。
しかしこの出来事が、のちに自分の人生を劇的に変えるキッカケになり、周りをビックリさせるエピソードに発展するとはこの時は知るよしもなかった。
ビリーズブートキャンプ入隊!!
1週間程度たったある日、僕は友達に継続してビリーをやっているのか聞いてみた。
話を聞くと、1週間は真面目にやっていたけど、もう限界で挫折したということだった。
せっかく買ったDVDも、今はクローゼットの中に眠っているそうだ。
「じゃあ、そのDVD俺にくれへん?ダイエット頑張ってみる」
「ええよ~、この際やからダイエットやってみなよ」
そして僕は、友達からタダでDVDをもらった。
こうして僕はビリーへ入隊したのだった。
家に帰り、さっそくDVDを観ながらエクササイズを開始!
「ヤバイ...ガチできついやん...^^;」
開始から、いきなり腕立て、そしてジャンプ、パンチ、キック。
休む間もなく、次々とメニューが降りかかってくる。
笑顔のビリー隊長を観て、ちょっとイラっとした。
しかし20分が過ぎたあたりから、次第に体も慣れ始めた。
そして、なんとか50分挫折することなくやり切ることができた。
驚いた、何だかんだいって最後までできたやん♪
この時、僕の中には確かな手応えを感じていた。
「これならダイエット続けられるかも...」
実際やってみて、苦しいというより、
「楽しい!」という気持ちが強かった。
いける!これなら痩せることができるぞ!
それから毎日、僕は仕事から帰ってくると、ひたすらビリーで運動することが日課になっていった。
怒りをすべてダイエットにぶつける!
それから1週間、僕はビリーのプログラムをやり切った。
ビリーズブートキャンプは、1週間のメニュー構成になっている。
それを僕は、挫折することなくやり切った。
その頃、職場では僕がビリーでダイエットを始めた話で持ちきりだった。
会う人に必ず、「ビリー頑張ってるか~?」と声をかけられるようになった。
応援してくれる人もいたが、中には冷やかしてくる奴も当然いた。
お前には無理という感じの、明らかに見下した言い方をしてくる。
「お前ら、今に見とれよ!」
「必ず痩せて、お前らを逆に見下してやる!!」
一気に心に火が付いた。いや、怒りの炎が爆発的に燃え上がった。
ついに僕のもとにダイエットの神様が降臨した。
その怒りのパワーをエネルギーに変えて、僕は無心でただひたすらにダイエットに取り組んだ。
効果が出ねぇーーー!!どうすれば...
ビリーを始めて、あっという間に1ヶ月が過ぎた。
しかし、僕は早くも壁にぶち当たっていた。
1ヶ月で何kg痩せたか、体重計に乗ってみたら...。
結果は、たったの1.5kg。
1ヶ月あれだけハードにこなして、たったの1.5kgって...。
何がいけなかったのだろうか。
僕は原因を徹底的に調べてみたら、原因は食事内容だとわかった。
ダイエットを始めてから、僕は食事にも気を配るようになった。
・朝:おにぎり1個とゆで卵1個。
・昼:職員食堂で定食。
・夜:ご飯、みそ汁、サラダ、おかず1品
という具合だ。
しかし、ここに大きな落とし穴があった。
ダイエットの食事比率は普通、
朝・昼・夜の比率を3:5:2とするのが基本だ。
しかし僕の場合は朝・昼・夜の比率が2:3:5
つまり、夜にたくさん食べていたことが原因だった。
当時は、今で言う「糖質制限」とか「グルテンフリー」などの概念が、
まだ世の中にあまり知られていない時代。
僕のダイエットの基礎知識は乏しく、おまけに独学でやっていた。
食事に関して調べても、「ヘルシーな食事をしよう」とひとくくりにされた内容ばかりだった。
ヘルシーな食事ってなんやねん...。
結局僕は、大胆に夜ご飯を抜いた。
しかしそんな日が何日も続くと、体も相当な負担を強いられ、ついに僕は体調を崩してしまった。
我ながらバカだ...。
そしてこの計画は断念し、別の対策を練った。
そこで思いついたのが、夜だけ炭水化物と脂質を抜いた食事。
「炭水化物と脂質を取らなければ、太ることはないだろう」
という超単純な発想で思いついたことだった。
しかし、これが意外にも功を奏した。
そこから、一気に体重が減り始めたのだ。
今の時代では当たり前となっている糖質制限が、その概念がない当時、僕は夜だけ糖質制限を無意識的にやっていたのだ。
なんたる偶然。ラッキーとしかいいようがない。
こんな感じで、僕は壁にぶち当たりながらも、ビリーズブートキャンプを無限ループ、そして夜だけ食事制限(糖質+脂質制限)。
これをただひたすらやるだけの毎日を過ごした。
気が付けば、3か月もこのダイエットに励む日々を送っていったのだった。
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